私たちで奏でる物語
その後、3人が話してくる事はなく、私の周りには不穏な空気が漂うばかりだった
授業が終わると私は、急いで帰る支度をして、逃げる様に廊下を早歩きした
急いでいた所為か、下駄箱で人とぶつかってしまった
「す、すみません!」
私は急いで立ち上がり、頭を下げて謝った
「如月栞那さんですよね?」
女の子の声が頭の上からする
「え、はい…」
(どうして女子生徒が私の名前を…?)
私は頭を上げてその子と向き合った
目の前の女の子達の形相に、私の口角が下がる
「ちょっと付き合って?」
(……面倒臭いのにひかかった)
直感だが、恐らく外れる事はないだろう