私たちで奏でる物語
「それより、みんな女の人たちに囲まれてたけど大丈夫?」
「あー…」
「知らね、お前が遅いからじゃん」
「えぇ!?」
「僕は栞那ちゃんがいるから良いもん♪栞那ちゃん可愛いよー」
「…ありがとう」
恋くんがいつものごとく腕にくっつくけど、水着だし恋くんは上半身裸だから肌が直に触れて恥ずかしい
─パサッ
「…へ?」
「…それ羽織っとけ」
「あ、ありがとう那斗くん」
「嗚呼」
那斗くんがかけてくれたパーカーを羽織る
「………ブカブカだね」
「…すまん」
那斗くんは私よりも大きいからパーカーも必然的に私より大きいわけで、ブカブカだった
「っていうかー僕お腹空いたー」
「あ、じゃあ私何か買ってくるよー」
「こら、一人になんなっていったとこだろ。俺も一緒にいく」
海の家に何か買いにいこうとすると、龍くんが眉間にシワをよせていった
「え、でも…」
「どっちにしろ持つの大変だろ?それとも俺とは嫌か?」
「そんなことはないよ!…じゃあ一緒に行こうかな」