私たちで奏でる物語
『栞那て、本当ウザいよねェ』
穂香が何かいってるけど、私の頭に流れるのは小さかった頃の思い出
『アッハハ!そんなの仕方無く、じゃなきゃ付き合わないって!』
「私、小学生の時友達だった速水穂香ですぅ。よろしくー」
「おー」
「よろしくー」
「………」
穂香が猫なで声で三人に自己紹介する
そんな声どっからだしてんの?
「あ、私友達待たせてるから、じゃーねー♪」
「うん…バイバイ」
私は自然にと心がけて笑い、手を振った
「すごい子だったな…」
「嵐のようだった…」
「僕あーゆー子、苦手だなぁ…」
三人が珍しく苦笑していた
「栞那、大丈夫か?」
「…へ!?なっ何が?」
「いや…その…」
那斗くんが言葉をつまらす
みんな私を心配そうな表情でみていた
「わっ私、ちょっとお手洗いにいってくるね」
気まずい雰囲気から逃げるかのように私は小走りでトイレに向かった