私たちで奏でる物語

部屋につくと龍くんが連絡したみたいで二人がもういた


「栞那…どうしても言いたくなかったら良い…過去に何があった?」

「…………」


…もう良いや

ちょっとの間だったけど楽しかった

楽しくて、楽しくて、学校が楽しみだったのは初めてだった

こんなに楽しかったの初めてだった

私は色んな“初めて”貰った


もういいや嫌われてももう良い…

全部話してしまおう

隠す理由なんか何も無い


友達をやめるって言われても当然の報い

今まで通りの…此処に転校するまでの生活に戻るだけ


「あ、あのっね…」


声が…声が震える

私ってこんなに臆病者だったの?


「私――」


それから私はゆっくり全てを打ち明けた

穂香のこと、お父さん、お母さんのこと

私が話してる間三人は真剣に聞いてくれた





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