私たちで奏でる物語

何で?
何で帰ったきたの?

私の頭の中はそのことでいっぱい

そんなことも知らないでお母さんは当たり前のように、まるでずっとこの家の主であったかのようにすたすたと中に歩いていく

そんな母を私は怯えながらついていった


「…栞那、話があるの。ちょっとそこに座りなさい」


怯えながらも母の指示通り椅子に座る


「―あのね、私、再婚したの」


…え?

再婚?


「でね、今その人とその人の娘と一緒に住んでるんだけど…」


娘…


「その人の仕事の関係上渡米することになったの、私も一緒に」


何か嫌な予感がした

いや、母が帰ってきた時点で嫌な予感しかしなかった






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