私たちで奏でる物語
「それで、貴方のことを話したら呼んであげてって、一緒にアメリカに行って住もうって言ってくれたの」
昔のように幸せそうに微笑むお母さん
「だから貴女も一緒に来なさい、栞那」
…やっぱり
お母さんはお父さんが亡くなってからいつも勝手に決めるようになった
私の気持ちなんかこれっぽっちも聞かないで
「…でっでも…」
「安心なさい高明も成海ちゃんも貴女を快く迎えてくれるわ」
やっとのことでだした私の言葉を遮って言うお母さん
やっぱり私の気持ちなんか聞いてくれないのね
「アメリカに旅立つのは来月の第一土曜日で前日の金曜日に迎えに来るから、用意しといてね」
そういうとお母さんは立ち上がった