私たちで奏でる物語

(あの人達、すごく人気なんだ…)


初めて、いや改めて理解した

彼等とは世界が違うと

たった一瞬だったけれど、話せた時に感じた温かい嬉しさは夢だったと

途端に胸が苦しくなる、彼女に抑えつけられている所為ではない


(馬鹿みたい…)


涙なんかよりも先に、自分でも薄気味悪いと思える笑い声を出した


「な、何笑ってんの…!?」

「あーあ、馬鹿みたい。あの人達も、貴女達も、私も……」


本心にもない発言に、笑いと涙が溢れ出た


「アハハ、アハ……」

「此奴っ、イカレてる――!!」


-パン!


鋭い音と痛みが、私の頬に響いた

けれど私は本当にイカれたのか、口がニヤリと三日月の様に弧を描いた


その時だ――





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