私たちで奏でる物語

―ギィ…

重たい扉を開けると曇った私の心とは逆に真っ青な空が広がっていた


「綺麗だね~」

「いい天気だな」

「んで?」

「へ?」


私の前にいた皆が私の方に振り向いて言った


「『へ?』じゃねーよ、何か言いたいことあんじゃねーの?」

「その為に此処に来たんでしょ♪」


凄い

皆凄いよ

私の考えてることなんて見え見えだ

でも転校まではわかってないでしょ?


「…うん。あのね、私歌を作ったの」

「歌?」

「うん、皆への歌」


これを歌ったら最後

皆とはさよならだ


「歌って歌って♪僕栞那ちゃんの歌大好き♪」

「俺も」

「私も♪」

「ほら、聴いてやるから歌えよ栞那」


皆がアスファルトに座って立っている私を見上げる

いつもの温かい笑顔で


私はこの笑顔が大好き

何でかな

見てると安心するの

大丈夫って思えるの


「聞いてください」


私は満面の笑顔で言った


「―"Dear..."」




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