私たちで奏でる物語
本心
―ピンポーン
「栞那迎えに来たわ」
「…はい」
玄関のドアを開けると母が長身の若い男と少女と立っていた
たぶん高明さんと成海ちゃんだ
「高明さん、成海ちゃん、この子が栞那。仲良くしてやって下さい…栞那、こちらが高明さんと成海ちゃんよ」
母が紹介する
「初めまして栞那ちゃん。これからよろしくね」
「栞那です。よろしくお願いいたします」
『家族になるんだから敬語はやめてよ』と深々頭を下げながら言う私に高明さんが困ったような顔で言った
「……よろしく」
成海ちゃんが小声でボソッと言った
「よろしくね」