私たちで奏でる物語
「さぁ、自己紹介はこれくらいにして、行こうか」
高明さんが私に向かって言った
「そうね、続きは車の中にしましょう」
そう言って母は成海ちゃんの手を引きながら車に向かった
「さぁ、行こうか」
高明さんが私の荷物を持とうと手を伸ばす
「あ、大丈夫です。自分で持ちますから…」
私の荷物は中ぐらいのトランク1つ
これぐらい自分で持つ
「そうかい?それじゃあ行こう」
「……はい」
前を歩く高明さんの後に続く
嗚呼本当にもうこれで此処とはお別れなんだ
出来るならあと一回だけ一目だけ皆に会いたかった…
皆に…
「栞那!!」