私たちで奏でる物語

泣き泣き言う母の声を高明さんが遮った


「…栞那ちゃんは此処に残りたいんだよね」


真剣な顔で問いかけた高明さんにコクりと頷き肯定を示した


「永遠の別れになるかもしれないんだよ?それでも良いんだね?」

「はい、わかっています。それでも私は皆と共にいたいんです」

「そっか…それじゃあ陽菜さん、行こうか」


高明さんが優しく微笑むと母の手を引いた


「え、でっでも…」

「栞那ちゃんなら大丈夫だよ」


母に微笑んで私を見た


「栞那ちゃん、君のお母さんのことは心配しないで、大丈夫だから」

「…はい、ありがとうございます…お母さん」


ゆっくり母が俯いていた顔を上げた





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