私たちで奏でる物語

「本当に平気!慈悲も程々にすべきです!」


私は龍君の手を振り解き、言葉を吐き捨て走って帰った


学校を出て幾分歩いた後、恐る恐る後ろを振り返ってみた


――誰も其処にはいない


安堵とそれ以上の悲しみがつとつとと溢れ出た

最低、助けて貰って恩を仇で返してしまった

自業自得、分かってる


(全部分かってる……)


のに、溢れ出した涙は止まらない

私は恥も知らず、その場で嗚咽をあげて泣き叫んだ





< 17 / 160 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop