私たちで奏でる物語
「本当に平気!慈悲も程々にすべきです!」
私は龍君の手を振り解き、言葉を吐き捨て走って帰った
学校を出て幾分歩いた後、恐る恐る後ろを振り返ってみた
――誰も其処にはいない
安堵とそれ以上の悲しみがつとつとと溢れ出た
最低、助けて貰って恩を仇で返してしまった
自業自得、分かってる
(全部分かってる……)
のに、溢れ出した涙は止まらない
私は恥も知らず、その場で嗚咽をあげて泣き叫んだ