私たちで奏でる物語
若い男性のその声が、部屋の外から聞こえてきた
「どうぞ」
校長先生の声にその人が部屋に入って来る
体育会系、ガタイが良い上、顔立ちも決して悪くはない
「如月さん、君の担当の荒田(アラタ)先生だよ」
校長先生の紹介に、私は立ち上がり、荒田先生に挨拶をする
「き…如月栞那です、宜しくお願いします」
「荒田だ、宜しくな。んじゃ…行くか」
そう言うと荒田先生は、校長先生に一列をしてから先に部屋を出た
私は急いで広げていた資料等を鞄に入れて、荒田先生の後を追おうとした
「如月さん、充実した学校生活を楽しんでね」
校長先生の言葉に、私は「はい」と微笑して校長室を後にした