私たちで奏でる物語

それから暫くして来た救急車に、私達は急いで乗り込んだ

病院に着いて、 お父さんは手術室に運ばれた


『大丈夫だからね?栞那ちゃん』


小母さんの優しい気遣いが今回ばかりは、ナイフの様に痛く突き刺さる


『栞那!』

『…………お母さん』


静かな廊下にお母さんの声が響いた

病院に着いて直ぐ小母さんが、会社のお母さんに電話してくれたのだ


『栞那。お父さんは?』


私は首を振り、『……未だ』とか細く答えた


『……そう。大賀さん、有難う御座いました!』


お母さんが小母さんにお礼をする


『いいのよ、頭を上げて。旦那さん、きっと大丈夫だから!!』


小母さんはお母さんを軽く抱き締め、優しく頭を撫でた


『それじゃあ、私は帰るわ。栞那ちゃん、よく頑張ったわね』


小母さんは優しい笑顔を見せると、出入口の方へと足を向けた


『ありがとうございました』


お母さんがまた深くお礼をする





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