私たちで奏でる物語

『は、子供!?』


男性は本当に驚いていた

かと思うと、続いてお母さんを睨んだ


『タ、タク……!これは、その……』

『――マジ無い、お前』


男性はハァと溜め息を吐くと、上着を羽織って革靴に足を通し消えた


『え、ちょ……タク!!』


お母さんは玄関にへたり込んだ


『…………おっおかあ、』


私が呼び掛け、近寄った直後だった


―パンッ!


私は頬に熱いモノを感じる間もなく、勢いで床に打ちつけられた


『あんたの所為よ!!』


お母さんは泣きながら打ち続けた


『痛い!いたい!!』


私は抗えず、声で痛みを訴えた


『あんた、さえ!いなきゃ!!』

『お、お、母…………さん』


私はついに気を失ってしまった


―――――
――――――――――





< 26 / 160 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop