私たちで奏でる物語
『は、子供!?』
男性は本当に驚いていた
かと思うと、続いてお母さんを睨んだ
『タ、タク……!これは、その……』
『――マジ無い、お前』
男性はハァと溜め息を吐くと、上着を羽織って革靴に足を通し消えた
『え、ちょ……タク!!』
お母さんは玄関にへたり込んだ
『…………おっおかあ、』
私が呼び掛け、近寄った直後だった
―パンッ!
私は頬に熱いモノを感じる間もなく、勢いで床に打ちつけられた
『あんたの所為よ!!』
お母さんは泣きながら打ち続けた
『痛い!いたい!!』
私は抗えず、声で痛みを訴えた
『あんた、さえ!いなきゃ!!』
『お、お、母…………さん』
私はついに気を失ってしまった
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