私たちで奏でる物語
「はっ!」
ベッドは汗と涙でグッショリと濡らされていた
「……嫌な夢」
私は壁の掛け時計に目をやった
(1時か……)
変な時間帯ではあるが、私は汗を流す為、シャワーを浴びに浴室へ行った
「はぁ」
「今日、行くのやだな……」
自分の声を、水の音が掻き消す
『引っ越しは、もう終わりだから』
此処に来た時、お母さんから言われた言葉だった
ちゃんと覚えていたのに
此処の人達とは上手くやらなきゃと思っていたのに
――――早くも、お先真っ暗状態