私たちで奏でる物語
それに今日まで、お母さんは一度も帰ってきていない
水道もガスも、生活は何不自由なく出来ているのに、此処にお母さんの姿はないのである
(何処で何やってるんだろ……)
心配で――でもその先を知らず、探しにも行けない自分が情けなくて情けなくて仕方無かった
でもそれ以上にお母さんは自分を悔やんでいるのではないか?
(……それはないか)
きっとまた何処かの男の人と――――
そう、私は捨てられたんだ
空っぽの家に、
《愛》と《温もり》を失った場所を託されて――――