私たちで奏でる物語

――転入より二日目

心が暗闇に包まれながら、私は重い荷物を手に通学路を歩いた


―ガララララッ……


教室のドアは鉛の様に私に負荷をかける


「……」


一旦は教室中が私を見た

が、直ぐにまた元の視線へと帰った


「…………」


私は誰とも挨拶を交わさず、静かに席に着いた


昨日女子達に平手打ちされた頬は、未だ赤みと痛みが残ってるものの、傷になる程、大事には至らなかった


「ふぅ……」


一つ、大きな溜め息をついた

窓の外を見ながら湿布を貼った頬を撫でる





< 29 / 160 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop