私たちで奏でる物語
――転入より二日目
心が暗闇に包まれながら、私は重い荷物を手に通学路を歩いた
―ガララララッ……
教室のドアは鉛の様に私に負荷をかける
「……」
一旦は教室中が私を見た
が、直ぐにまた元の視線へと帰った
「…………」
私は誰とも挨拶を交わさず、静かに席に着いた
昨日女子達に平手打ちされた頬は、未だ赤みと痛みが残ってるものの、傷になる程、大事には至らなかった
「ふぅ……」
一つ、大きな溜め息をついた
窓の外を見ながら湿布を貼った頬を撫でる