私たちで奏でる物語
私はこれまで転校続きの生活
その所為か、故郷と呼べる場所も仲の良い友達と出来なかった
それでも今回は、高校生活の始まりだからか緊張していた
「─…此処は物理室、その隣が…って言ってもいっぺんに覚えられるもんでもねェか。ま、クラスの奴に教えてもらえばいいさ」
荒田先生はニカッと笑って言ってくれた
(……この先生も、関わり易そう)
校長先生といい、荒田先生といい、今回は普段よりも思い入れ出来そう
それが少し、怖くもあるけれど
「お前のクラスは〈1組〉な?3年間、同じクラスだといいな」
荒田先生の言葉に私は頷いた