私たちで奏でる物語
「――栞那」
予鈴が鳴り、教室に戻ろうとした時、ふと那斗君に呼び止められた
恋君達は先に行ってしまっている
「あ、何?」
「いきなりで悪かったな」
「……まぁ、頑張ってはみます」
「あぁ。《作詞作曲》も頼んだし」
「はい……………………え?」
今のは幻聴?《作詞作曲》と聞こえたような?
「ごめん、もう一回言って?」
「…………?《作詞作曲》頼んだ」
「……だっ、誰に?」
那斗君はキョトンとした目を見せ、私の方に顎を突き出す――私を指命
「わっ、私っ……!?なななななっ何でそうなりますっ!?」
「いや、出来そうだからって龍が……」
(いやいやいやっ!!何処を見てそう思ったんですかっ!?)
「何かあったら言ってくれ。俺も出来る限りの事はするから……」
(なら、作詞作曲して下さいっ――!!)
とは言えず、結局作詞作曲までもすることに…