私たちで奏でる物語
とは言えず、結局作詞作曲までも…
でも正直言って、作詞作曲は好き
あの鼻歌も自分で作ったものだし
だから三人に聞かれた時、曲名を答えられなかったのは、馬鹿にされ笑われるのが嫌だったから
――――放課後頭中はバンドの事でヘビロテ
それに任せて、曲の事を考えながら帰ろうと昇降口で靴を履き替えていた
「頼まれたからには ちゃんと作らなきゃな――」
そう言い踵を底に付けた時――
「栞那!」
私の背中をポンと叩いたのは龍君
「あ、龍君。どうしたの?」
「栞那に言い忘れてた事あってよ。その、真の事なんだけどさ――――」
「え、真ちゃんがどうかしたの?」
「あいつ――オトコだから」
(…………え、はい?)
「真ちゃんならで、真君?」
私のたじろう尋ねに、『うん』と龍君がキッパリ頷く