私たちで奏でる物語
「おい!席に着けーっ!!」
荒田先生の大声に、次々にガチャガチャと雑音が続いた
「転校生の如月栞那だ」
荒田先生が私の背中を押し、自己紹介するよう促した
不安7、好奇心2、雑念少々
そんな思いのまま目を開け、新しいクラスメートと対峙した――瞬間、私は硬化した
四方八方、男子、男子、だ・ん・しっ!!
何度目を凝らしても女子の姿は見当たらない
「ああああ、あの此処、共学じゃ……?」
私のひきつる顔に、荒田先生は可笑しそうに見て言った
「ああ、今年の1組は男子が阿呆みたいに集中してさ」
「あ、ほっ?!」
「大丈夫だって。皆、いい奴等だよ」
(そんなレベルじゃないでしょーーっ!!)