私たちで奏でる物語
「……」
「栞那?」
「…………」
「おーい!かーんなちゃーん?」
龍君が私の目前で 掌をひらつかせ、私は足をおぼつかせてその場を三歩
「えええええぇぇぇーーーーっ!!」
立ち尽くした私の声は甲高く此処に響いた
「じゃあ……やっぱり私はクラスで女子ひと……り?」
「あ――地雷踏んじまった?」
「ハハ、ハハハ……。アハハハハ…………ハアァ」
私は龍君に『さよなら』とだけ言い、重い荷を背に負い校門へと歩き出した