私たちで奏でる物語
「み、皆もすっごく似合ってるよ?」
話を大きな方に戻すわけだが、こればかりは、心から思えてしまった
龍君と那斗君は体躯がいいので、ウェイターの服がとても似合って――――カッコイい
恋君はウィッグ着用の所為か、『普通に女の子に見える』と、言えても過言ではない位に可愛い
真君は……女の子にしか見えない
「サンキュ♪栞那ちゃん、大好き!」
「うっ、うん」
女の子――姿の恋君に言われると、どう反応していいやら――私は苦笑
「おい、恋」
那斗君が何故か睨み付ける様に言う
「んにゃにゃ?」
それでも恋君は陽気な声を発す
「栞那が困ってる。離れろ」
「嫌だぁ!まだ可愛い栞那ちゃんをぎゅうぎゅうし足りな~~いもん!!」
可愛い恋君に私は一瞬、自分の《女子度》の劣勢を感じた
「恋!私に抱きついていいよ」
真君がノリや冗談声に大手を開いて恋君が飛び込むのを待つ