私たちで奏でる物語
唯でさえ人と関わる事の少ない人生を送ってきた私だけれど、異性の中に独りにされるなんて考えてもみなかった
泣きたい、帰りたい
いやいっそ、転校したい
「お前の席は彼処な?」
窓側の一番後ろ、所謂“特等席”
「……はぃ」
私の声は今に消えそうだったが、私は重い足を引きずりながら席についた
不思議な事に私の周りの前・右前・隣の3席が空席だった
「あの3人か…」
荒田先生が溜め息を吐いた時だった