私たちで奏でる物語

「Ladies and Gentlemenーーっ!! 今日はうちのクラスの唯一の華如月栞那のHappy Birthdayだぁっ!!」


龍君が先だって手拍子をするとカフェ全員がそれに合わせてする

私はポカンとしている――当たり前


「え、あの、私、今日、誕生日じゃな……」


私が遠慮がちに小声で言い掛けると龍君の人差し指が私の唇にそっと当てられる

それから龍君が私に耳打ちした


「こう言や困惑が和らぐってモンだ。悪ぃが協力してくれよな?栞那」


(……あ、なるほど)


私は納得出来ると小さく頷いた

困惑は免れ、それからはカフェも大繁盛

文化祭一日目が終了し、明日はいよいよバンドの日となった





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