私たちで奏でる物語

競技の名の通り、この《男女混合リレー》は男女各二名ずつ走りバトンを渡すモノ

けれど一組は私だけが女子
つまるところ――私の出場は必然的

残りの一枠は男子三人の内、一人が女装して走る事になったらしい

それがこの事の全貌――龍君はじゃんけんに負けたんだとか


「畜生っ、ああ!イイか?やるからには絶対一位だ!!」

「「ぅ押忍っ!」」


龍君の強い言葉に二人も気合いの入った返事で返す


「あ、足手纏いにならぬよう一生懸命走らせて頂きます……はい」

「誰がんなモンになるもんか!」

「自分を……俺等を信じろって!」

「栞那。頑張るぞ?」


三人の温かい言葉にようやく全身の緊張が解れていく


「……絶対、一位を取ります!!」


私の呼び掛けに三人ならず、遠くから聞いていたクラスの皆が「おーーっ!!」と声を張り上げた





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