私たちで奏でる物語
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それはつい一昨日――文化祭一日目の帰り道のことだった
「いよいよ明日だな!」
龍君が楽しそうに笑って言う
「あ~~、早く明日になれ~~♪」
恋君なんかスキップまでしてはしゃぐ
那斗君は何も言わない
けれど顔は笑っていて《嬉しい》のが波紋の様に伝わる
「――で、さっきから沈んでる其処の君!」
龍君がTV番組の司会者風に言う
…………
誰も何も言わない
「「……?」」
言わないんじゃない――言えなかった