私たちで奏でる物語
「無視すんなよ――栞那」
龍君が珍しく恋君の様に頬を膨らす
「え、……ええ、私!!?」
「以外に誰がいるってんだ?」
「でっでも私っし、ずんでるんじゃなくて……」
「じゃあ、何だってんだよ!?」
「き……緊張」
勇気を振り絞って私が言う
――と、龍君がブッと吹き出した
「え、ええ?!」
笑われるなんて思ってなかったから、私は驚愕の声を出してしまった
「わ、笑わなくってもいいじゃないっ……!!」
私は目を潤ませ、頬を膨らます
「わ、わは……悪ぃっ」
龍君は反省の一つ見せず、ケラケラと腹を抱えて笑い言う