私たちで奏でる物語

「そっか……んでも人間、緊張の一つや二つして当然カモなぁ」


龍君の言葉に恋君達も続く


「僕もしたことはあるよぉ。最近は全然しないんだけどねぇ?」

「俺も……」

「「那斗は見るからに無いね」」

「……!?」


あるのに、とばかり那斗君がツンと小さく怒りしょげた

三人の掛け合いに思わず私の口角が緩み笑んでいた


「笑ったな……。その笑顔ならもう大丈夫そうだ!」

「え……?」

「その笑顔、本番も忘れんなよ?すっげえ……あ、いや、の、その……」

「え……何?」


私はポケンと龍君を見てしまった

すると恋君が私の両手を取って言った


「栞奈ちゃん、イイおまじない教えてあげるね!」

「イイおまじない?」

「うん!!僕達だけのおまじない☆」


恋君は私の手を放すと、右手で拳を作りそれで、胸の前を五回ポンポンと軽く叩いた


「五回?」

「『が・ん・ば・ろ・う』ね?」

「……『頑張れ』じゃなくて?」

「うん!一緒に『頑張ろう』☆」


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