*天使の贖罪-勿忘草-*
その日は体中が酷く痛かったことしか覚えていません。

そこらじゅうに傷が沢山ありました。

服を着ていても一目で分かるような瑕疵(かし)。

母はそんな私を見て、最初は少し驚いたような表情を見せましたがそれ以降は冷徹に、私にこう言いました。

「そんな汚い格好でうちに上がってこないでちょうだい。なんなのその目は。私がなにかしたとでも言うの?」

冷たく放たれた目視と言葉。

私はもう救いようのない沼底に落とされたような気分でした。

そしてその日、私は決意したのです。

絶対に、復讐をすると。

この胸に誓いました。

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