*天使の贖罪-勿忘草-*
でもその頃の私は見ず知らずの他人にそんなことを言われてもただ腹が立つだけでした。

"あなたは何も知らないでしょう。他人のあなたには関係ない。放っといて"

心の中でそう叫びました。

「他人のあなたに止められる筋合いありません。放っといてくれますか?」

ぶっきら棒に私はそう言いました。

「いや。目の前で人が死のうとしてるのを止めないやつなんてそうそういないと思うんだけど」

すると彼もそう言い返してきました。

「じゃあこうしましょう。あなたはちゃんと私の自殺を止めようとしました。だけど私はそれを振り切り死んでしまった。これでいいですか?」

苛立ちを隠せない私は強めの口調で言い放ちました。

すると、

「下らないことをするな...ッ!!」

急に彼は大声で怒鳴りました。

彼が下を向いているので表情は読めません。

「命を粗末にするな。一つしかないんだぞ...っ!」

崇宏さんは私のほうを真っ直ぐ見て言いました。

「あなたに何が分かるの!?あなたに、私の何が分かるのよ!!?」

私も負けじと言い返しました。

すると、崇宏さんはすごく悲しそうな、泣いてしまいそうな顔をしていました。
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