*天使の贖罪-勿忘草-*
「偉い偉い」

そう言って崇宏さんは私の頭を撫でてくれました。

すると、自然と私の目から涙が零れてしまったんです。

そんな私に崇宏さんはこう言ってくれました。

「泣いたらいいんだよ。後悔するよりずっとマシだろう」

その言葉の意味を少し理解したのは崇宏さんが私にあの事を話してくれてからです。

でも、この手紙を読んで私はよりいっそう言葉の意味が理解できたのではないかと思います。

「よし、泣き止んだか?泣き止んだな」

崇宏さんはそう言って笑いながら私の頭の上にポンと大きな手を置きました。

温かく大きなその手は今でも忘れられません。

「名前、聞いてもいいか?」

突然そう言われたのには少し驚きましたが私も彼の名前を知りたいと思い、自分の名前を言いました。

「"新未羽那"、いい名前だな。こんないい名前なのにここで命を終わらすなよ」

崇宏さんはそう言ってまた笑いました。
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