*天使の贖罪-勿忘草-*

気が付くと俺の横にはあの男が倒れ、目の前には白目を向き、鼻や口から体液を垂れ流しているサナが倒れていた。

そして自分の手には真っ赤な血の付いた灰皿が握ってあった。

「ひぃっ!?」

俺は情けない声を上げながら腰を抜かした。

そして部屋を出た。

それから全力疾走して近くの公園まで辿り着いた。

その頃はまだ、頭の整理がつかず、パニックに陥っていた。

だが次第に落ち着きを取り戻し、俺は自分の犯した過ちを受け止めた。

怖くなり、俺は自首をする事にした。

そして粗暴犯として、1年の懲役が裁判で言い渡された。

裁判中にサナとあの男は重傷ながら命に別状は無かったと聞かされた。

男のほうは意識を取り戻したそうだ。

だがサナは意識を取り戻していないらしい。

今でも意識を取り戻したという報告は受けていない。

言わば植物状態なのだ。

サナの両親はさぞかし俺のことを怨んでいるだろう。