*天使の贖罪-勿忘草-*
サナの両親はサナの本当の親ではない。

サナの本当の両親はサナが4歳のときに車同士の交通事故で親共々他界してしまった。

それからサナは小学2年のときに養子として里親に引き取られた。

その里親が今のサナの両親だ。

新しく出来た父、母、妹。

サナはあのときのことを本当に嬉しそうに話していた。

だが新しく出来た両親はサナばかりを可愛がり、妹はさも邪魔者扱いをするようになったのだ。

サナは申し訳ないという気持ちはあったものの、何故かその頃は妹を庇(かば)うと自分まで邪魔者扱いされるような気がしたのだと言っていた。

話を戻そう。

俺は1年の時を経て、刑務所を出た。

そして、それから未羽那、お前に出会ったんだ。

あのときのことは今でも鮮明に覚えている。

無職になった俺は家族にも見放され、途方に暮れていた。

そんな中、お前に出会ったんだ。
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