東京物語


泣いた理由は様々だった

ここにいた間の全てが
フラッシュバックして

『あの人』の事も
あの人との会話や

過ごした日々も
なんだか全部泣けてしまって辛かった

そして『あの人』の事を改めて考え直した

きっとここに来る前に想っていた

『あの人』への感情は
もうなくなっている

と思った


『あの人』は今でも大好きで

またこうやって逢いたいと思うけれど

それは今までのように深く思うものではなくなってしまって

ある意味 何か踏ん切りのようなものが就いてしまって…


『あの人』を写真で見ていても

前のように熱いものはなく

どこか冷静に見ている私がいて…

それがなぜだか
と言われても解らない事だけれども

私はそんな心になっていた

寧ろ前の私のように

いやそれ以上に

思いの募るばかりのあの人を想って切なくなった
同情ではなく

感情移入の値で
苦しかった


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