王子先輩、好き
「すみませーん、鍵…」


「はい、308号室!」


入った途端、目の前で鍵を揺らされる。


「アンタ最後よ。どこほっつき歩いてたわけ?」


「道に迷ってて…」


「とりあえず、はやくいったほうがいいわよ。荷物整理してお風呂はいったら、すぐにご飯の時間になるわよ」


「そうなんですか?」


「ええ、と言うことで帰った帰った」


背中を押されて教室の外に出される。


「桃ちゃんたち、心配してるよね」


今度は迷わないぞと心に決めながら、学校と寮をつなぐ廊下走った。
< 23 / 71 >

この作品をシェア

pagetop