王子先輩、好き
「悪い」


「え、と…」


黒髪のむすっとした男が、私を覗き込んでいた。


「大丈夫か」


「は、はい」


制服をきていない。


大学生だろうか。


「一年生だろう?叫んでばかりじゃ同室の奴は見つからないぞ」


「は、はぁ…」


「自分を探してる声を見つけるほうがよっぽどはやい」
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