七神〜私と君で咲かす花〜
第一章〜透けた石〜
見間違い?
ここは県立石盛高等学校の体育館。
そこには、ボールのドリブルする音と、シューズのスキール音、そして、同級生たちの声援が響いていた。
「琥珀!パスっ!」
「オッケ!!」
友達に名前を呼ばれ、活気よく返答する。
その子からのパスにより、ボールが私の手元に来た。
私はそのままドリブルをして、ゴールへと向かう。
途中、前に立ち塞がる敵のディフェンダーを交わしていく。
そして。
―ザンッ!
私が放ったシュートは、見事ゴールへと吸い込まれた。
「きゃーっ!!」
「琥珀サイコー!」
何故か、いろんなところから歓声が上がる。
「あははっ、大げさだって!」
私は笑って応えた。
たかが体育のバスケなのに。
何この盛り上がり様…。
そんな事を考えながらコートの中央に向かって走る。
すると。