七神〜私と君で咲かす花〜
「何度やっても同じことだ!!」
妖化はそれを受け止め、私と同じように跳ね返そうとした。
しかし。
「!!? 何故だ…!?」
妖化の力に、千尋は怯まず、そのまま妖化の鎌を持っている方の腕をガシッと掴んだ。
「体力の限界ってやつだよ……!!」
千尋は妖化に向かって、ニヤリと口角を上げる。
『俺が妖化を食い止めるから、琥珀は思い切り斬りかかって』
「やあああ!!」
千尋の言葉を思い出しながら、力一杯地面を蹴飛ばし、妖化に斬りかかった。
妖化は私を見ながら、目を見開く。
力を振り絞って刀を振ると、刃は妖化の体に見事に斜めに斬り込みを入れる。
その瞬間、妖化の体が、黒い光の粒となり、天高く昇っていった。
妖化が消えたあとには、小さな石のようなものが地面に落ちていた。
拾い上げてみると、その石は黒く、中心が怪しげな光りを放っている。