七神〜私と君で咲かす花〜



月神はフッと柔らかく笑い、私の頭の上にポンッと軽く手を置いた。



「っ……」



月神のその行動に、不覚にもキュンとしてしまい、赤くなったであろう顔を隠すため、下を向く。



すると、次の瞬間――



「いだだだだだだ!!!!!」



頭に激痛が走る。



月神が私の頭を思い切り掴んだのだ。



「いだい゛!! 月神!! 痛いってば!!」



必死に月神に叫ぶが、月神は真っ黒な笑顔を見せたまま、手を退けようとはしない。



千尋……!!!



涙目で千尋に視線を移す。



しかし、千尋は左手で口元を覆い、右手で腹を押さえ、そっぽを向いて笑いを堪えているではないか。



コノヤロー!!



初めて、千尋を恨んだ。



「俺の麻痺が治って、“よかった”って言ったな?」



急に月神が話し出したので、私は月神を見上げた。



「治ってきゃ、お前を懲らしめられねえじゃねえか…!!」



「ひっ…!!」



その時の月神は、これ以上ないくらい、真っ黒に輝いていた。



そのあと、一時間、正座でみっちりと彼のお説教をくらったなんて、言うまでもない。





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