七神〜私と君で咲かす花〜
危ない者
私は、辺りが黒で、先など見えそうにない空間に立っていた。
想像の世界にいるのかな…?
いや……違う。
かもし出される雰囲気が違う………。
じゃあ、どこ?
心の中で呟いても答えは返ってこない。
「……?」
何mか先に目映い光が浮かび上がった。
吸い込まれるように光に向かって一歩踏み出す。
それはまるで、足が操られているかのように。
『……ダメ』
「え……?」
急に、どこからともなく、声が聞こえ、足を止めた。
『行ってはダメよ、琥珀』
どこから聞こえているかも分からないその声の主は、何故か、私の名前を知っていて。
私は主に向かって言う。
「あなたは誰?どうして私の名前を知ってるの?」
返事を待ったが、この問いの答えを聞く前に、私の視界は、光すら見えない、本当の闇に染まっていった。