七神〜私と君で咲かす花〜
「っ……」
目を開けると、さっきの世界から一転して、カーテンの隙間から、太陽の眩しい光が部屋に射し込む。
夢か………。
ようやく、あの真っ黒な世界が夢だったことに気付いた。
上半身を起こして、辺りを見回す。
そりゃそーだよ。
あんな世界が現実なわけがない。
そう、あんな真っ黒な世界が―――。
「……ん?」
布団の上から、何かが膝に乗っている感覚を覚えた。
見るとそこには、毛が淡いピンク色に染まった、小さな猫が体を丸めてスヤスヤと眠っていた。
「へ…!? ちょっ…!? 何この生き物!?」
猫だよ。
当たり前の自問自答をする。
でも、猫なんて、家に入れた憶えなんて無いんだけど…。
じっと見つめていると、猫の耳がピクッと動き、静かに瞼を開いた。
猫は「ん〜」と唸りながら、体を震わせ、けのびをひとつ。