七神〜私と君で咲かす花〜



「……おはよ」



「お……おはよう…… じゃなくて!!」



なにくわぬ顔で挨拶をしてきたため、こちらも挨拶を返すが、すぐにおかしいことを感じ、ツッコミを入れた。



「なんで猫がしゃべってるの!? てゆーか、誰!?」



私がそう言うと、猫は呆れ顔になり、ため息を漏らす。



「猫が喋るなんて、初めてじゃないでしょ」



「え………?」



初めてじゃない……?



よく考えてみると、心当たりがあり、「あ」と短い声を上げた。



一回、見たことがある。



『こいつは俺の遣いだ』



月神の言葉と一緒に、脳裏に浮かんだのは、月神の“遣い”とかいう、猫の青。



じゃあ、え?なに?



青と同じように、話すことができるこの猫は…



「私はお前の遣いだよ」



心で呟く前に、猫が口を開いて言った。



「じゃあ、あんたは…桜美夜行?」



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