七神〜私と君で咲かす花〜
猫はコクリと頷いた。
「……ホントに?」
「ああ」
「若干、言葉遣い違う気がするんだけど」
「これがいつもの話し方だ」
「何でこっちの世界にいるの?」
「主が自分を使うと決めた以上、主の側に留まるのが遣いだからだ」
「何で毛がピンク色?もしかして、“桜美夜行”の桜にちなんでとか?」
「いい加減にしろ。しばくぞ」
少々、桜美夜行がキレ気味だったので、質問責めにするのをやめた。
あ、でも…
「最後にひとつ」
私がそう言うと、桜美夜行はピクッと、一瞬眉を上げる。
「昨日のことは、夢じゃない?」
「……」
桜美夜行は、黙ったかと思うと、目を閉じて言った。
「事実か幻覚かはそこの刀を見て決めたらいい」
桜美夜行に言われて、移した視線の先には、昨日、妖化を斬った刀が、壁に立て掛けられていた。