七神〜私と君で咲かす花〜
夢じゃ、ないんだ…。
「どうした?」
呆然とする私を見て、桜美夜行が首を傾げる。
「いや…ホントに、嘘みたいな夜だったから……」
「契約した以上、これからは昨日のような出来事が続くぞ?」
桜美夜行の言葉に、コクリと頷き、「よろしく」とだけ言った。
契約するかどうかは、自分次第だった。
私は、“契約する”を答えたのだから、少しは予想がついていた。
私は自ら踏み出したんだ、普通ではない世界に。
「それにしても、“桜美夜行”って呼ぶの、長いんだよねー」
ベッドから立ち上がり、高校の制服に着替えながら、「どーしようかな」と考える。
「いいじゃないか。“桜美夜行”と呼べば」
「長かったら呼びにくいじゃん」
「何がいいかなぁ」なんて呟きながら考える私に対して、桜美夜行はどうでもいい、とでも言うような顔をしていた。