七神〜私と君で咲かす花〜
教室に入った瞬間、チャイムが鳴り、私は本当にギリギリセーフだった。
しかし。
遅刻にならなかったのはよかったのだが、問題がひとつ。
私が座る隣には何故か、興味深そうに教室を見回すサクが居るのだ。
「何で学校まで来てるわけ。途中までついてくるだけじゃなかったの……」
脱力しながらもサクに言う。
「主のそばにいないということは、主を見捨てるも同然だ」
「いや、だからって学校までついて来なくも…」
「心配するな。一般人には私の姿は見えないからな」
いやいやいや。
自信満々に言われても…
「琥珀ーっ!!」
突然名前を呼ばれ、声のした方を振り返る。
「美春……どうかした?」
振り向いた先にいたのは美春だった。
何故か走ってきたらしく、少し息が上がっている。
なにやら慌てているようだ。
「このクラスに、2人転校生が来るらしいよ!」