七神〜私と君で咲かす花〜



玄関に立つ2人の間に沈黙が流れる。



その沈黙を破ったのは美春の方だった。



「…ちょっと、寄り道しよっか」



笑顔で言った美春に、戸惑いながら頷いた。






「あ!ここ、ここ!」



しばらく歩いていると、いきなり声を上げ、指を指す美春。



私も立ち止まり、美春が指差した建物を見ると、そこは最近できたばかりのケーキ屋だった。



「前から来てみたかったんだよねー!!」



珍しく胸を弾ませる美春のあとについてお店の中に入る。



入り口の扉を開けると、チリンチリンとベルが鳴り、すぐさま店員さんが裏から出てきた。



私達を見るなり、店員さんは笑顔を見せる。



「いらっしゃいませ。ここでお召し上がりですか?」



店員さんの質問に、美春は「はいっ」と笑顔で答えた。



「では、只今二階のテラスを解放しているのでいかがですか?風も心地よくてオススメですよ」



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