七神〜私と君で咲かす花〜
「食べちゃおーっ」
美春は早く食べたかったようで、早速チョコレートケーキにフォークを通す。
「おいしーっ!」
パクパクとケーキを平らげていく美春を、彼女の正面に座り、目を細くして眺めていた。
今、美春は何を考えているのだろうか。
私の態度は自分でもわかるくらい違っていて、美春も気づいているはず。
「琥珀、食べないの?」
「食べるよっ」
慌てて、ケーキにフォークを通した。
そんな私を見る美春の顔は、私を少し怪しんでいるような表情で。
「琥珀」
カチャリと、美春は皿の上にフォークを置いた。
私はなるべく美春と目を合わせたくなくて、置かれたフォークをただ見つめる。
美春が口を開いた。
「私、今、琥珀を少し疑ってる」
「…うん」
やっぱり、あんなに誤魔化してると、わかるよね……。