七神〜私と君で咲かす花〜



「隠し事してるよね?」



「……」



美春の言葉が胸を突き刺す。



私は、美春に隠し事をしている。



そしてそれは、言いたくても言ってはいけない内容。



でも、それをどうやって伝えよう……?



「秘密があって、口止めされてる」なんて正直に言ったら、余計気になるだけ。



「私からは聞かないから」



「え…?」



驚いて、顔を上げた。



「私が気づいてるって分かってて話さないってことは、“話せない”んだよね」



「…っ」



美春はわかってくれていた。



どうしてか、私が言う前に。



「どうして、言えないって分かったの?」



恐る恐る美春に訊くと、美春は当たり前のように言った。



「顔に書いてあるもん。何年一緒にいると思ってんの!」



本日2度目のこのセリフ。



幼なじみってすごい。





< 140 / 213 >

この作品をシェア

pagetop